舞台薔薇王レポ1
レポが3つになる予定
有馬リチャード⇒若月リチャードと見たので話の流れは有馬リチャードで書きます。
書きながら気づきましたが、書きたいところだけ自分の少ない語彙力で書いてるんでよろしくお願いします。
6月15日舞台『薔薇王の葬列』レポ
2015年頃に出会った薔薇王の葬列。アニメ化決定延期、アニメはじまるタイミングで舞台化決定。
ぶ、舞台化!?
となったのは決して、舞台化苦手人間だからではなくこの作品の原案が戯曲なのです。
史実の戦争をシェイクスピアが戯曲にして、それを原案にアレンジして漫画化、さらにアニメ化して舞台化。ループできるのでは!?ってかんじでした。
薔薇王関係なく、私は若手俳優さんで好きな方がいるので2.5界隈もちょっとは観てる人で、演出の松崎さんはStarry☆Skyシリーズの演出と総合監修をしてらっしゃり3度目、俳優さんは舞台ヴァンパイア騎士若月さんは3度目、高本学さんはStarry☆Sky・スタミュで3度目でした。
推しの若手俳優さんはあまり2.5専門ってかんじではないので、わりと原作で好きなものをみてるかんじです。
そんなオタクが舞台みにいきました。
2公演。理由は主人公がWキャストだから!
ちなみにウォリック推しの母と一緒に行きました。
公演前
やたらスペースをしたり配信したり、聞くうちに伝わる熱感と膨らむ期待感…でした。役者さんの名前も覚えられて嬉しい…
6月15日昼公演
1幕
100年戦争、ジャンヌ・ダルク(生前)からはじまるので、初めての方に優しい。すごく優しい。
原作オタにとっては1コマくらいにあったジャンヌ・ダルクvsヨーク公爵が見れて嬉しい。冒頭から始まったヨーク公爵どこまで殺陣やらせるんだ劇場開幕です。
ジャンヌが亡霊になりリチャードを導くまでの時間があまり時間を置かないので早着替えまではいかなくても素早い変身で、、、ジャンヌ役の方の歩き方も姿勢も亡霊というか生きてる人間じゃなくてジャンヌ!ってなる。
回想でも強いマーガレット様
事実上マーガレット様vsヨーク公爵の構図がわかりやすく、何の役にも立たんヘンリー…(ヘンリー!って気持ちになる)
ウォリック伯、ヨーク公爵に手の甲にキス。
ふたりが、キングとキングメーカー感が出ていて好き。
回想終了後、ジョージと稽古するリチャード。その辺の町娘を口説くエドワード。セシリーがリチャードを無視して息子を溺愛。置いてきぼりのリチャードを慰めるケイツビー。このシーンのケイツビーの俊敏さにビビる。ケイツビーがとても強く、とても俊敏で力持ちなんで最強。
ランカスター勢力で初登場する王太子エドワード(以下赤エド)がドSなんですが、リチャードに出会った瞬間から恋する乙女になるのは原作通りなんだけど、本当に乙女。日替わり台詞は彼の担当で、彼の台詞には笑っていい空気ができていた。廣野さんは女性キャラを押しのけ愛されキャラを確立していてすげえーってなる。
アニメにしたら赤エドは人気キャラって思っていたが、舞台にしても可愛いぞ赤エド。
アンとウォリックが会話して戦争になるぞ、と話しながらアンがリチャードが好き、戦に勝ち目がある、ロンドンに勝ったらうつる、ウォリックにとってのリチャードとはヨーク公爵という情報を入れてくる。
ただこのあたりのシーンは忙しいのか、アンが回想でリチャードとダンスしているときにステップを外す勢いがよすぎる。
全体的にアンとリチャードのシーンは勢いがよすぎるので、純粋にリチャードさんよアンが怪我しそうなのはお前の勢いでありアンのせいじゃない、となる(アン推し過激派)
有馬リチャードにめちゃくちゃ優しい甘いヨーク公爵。有馬リチャードは自信が無い。ヨーク公爵を父というより幻想として最初(生きているうち)から見ているかんじ。谷口ヨーク公は、原作の高潔なパパというより、会社役員ですが休みの日は末息子と庭の手入れをして次男とキャッチボールして夜には長男と晩酌して、寝る前には妻と色々話すのが幸せなんです、みたいなタイプ。(これは2幕のウォリックとエドワード決戦でも感じた)
有馬リチャードにはとくに俺の可愛い息子、いい子だな、父はリチャードが特別だと思ってる、がめちゃくちゃ甘い。
そんな戦の片翼はマーガレットはヘンリーにブチ切れながら進めている。なお、マーガレットがヘンリーに怒る理由がヘンリーがヘンリーすぎて痛いほどわかる。
自分で戦をするといいながら人を殺すなといい、一時ヨークを制してもそれをみてショックになる、気がつけば、自分の息子は廃太子する話をヨーク公爵にしてるし、王位をあげるまで言っている。戦を嫌がるわりにはマーガレットと息子の赤エドさんの身元保証はしてくれない。わりと理路整然としたことをまくしたてるマーガレット、怖がるヘンリー、をみる赤エド。この家庭怖いよー
セシリーにリチャードを連れていかないでとヨーク公爵が懇願されるシーンがすごくセシリーの役者さんが元ジェンヌさんだと感じた。いい意味で宝塚の形式美のセシリー、劇団役者さんのマーガレットというのが母親の対比になっている。薔薇王三大毒母はセシリー、マーガレット、エリザベスだと思っているがエリザベスはあまり出てこないので、やはりふたりが強い。
牢から抜け出すシーンはしろいのはさすがに用意していたら怖いのでジャンヌが代役。セシリージョージリチャードのシーンでジョージの胃が痛いかんじででも明るいジョージ、控えめに言って原作よりけなげだ。
ジャンヌがリチャードをヘンリーへ導く。
この解釈いいな、と思った。
ジャンヌの正体について考えるとリチャードが
自らヘンリーに出会いにいってるわけで……
そしてヘンリーとの出会い。ヘンリーこのシーンいつも輝いているが、本当にスポットライトがあたって変わらず輝いていた。
リチャードが日時計のくだりをはぁ??ってかんじで聞いてるので、こちらもはぁ??ってかんじで聞ける。
リアルに寝転がって話をするので、客席からみえる画角はよくないが、このシーン…ってなるので満点です。
赤エドにあい、(くそ可愛かった赤エド)ランカスター軍に襲われるも兄エドが助けてくれるシーンのあとセシリーの癇癪(リチャードをののしること)を兄エドとジョージが話すシーンでセシリーがリチャードを虐げている時だけ異常という共通認識とセシリーをなだめつつ、リチャードにフォローを入れて行こう的な基本姿勢がみえる。原作のフォローのあまりない兄弟たちと違い、わりとリチャードに優しい。
この舞台ではセシリーを現実的には精神的に弱い人と、リチャードが見えている悪魔とののしる幻がいて、『精神的に弱い母をフォローする年長の息子とターゲットになった末子』ってかんじがしてリアリティが増す。
ヨーク公爵、ウォリック、エドワード(兄)の見栄えのよいことよいこと。ケイツビーも作戦会議中にいるのだが、セリフがめちゃくちゃ後ろなので、緊張する役だよなぁと思う。
マーガレットとヨーク公爵の対決シーン。マーガレットは殺陣をさすがにしないので、戦況をチェスしながら解説。ヨーク公爵はずっと殺陣をしている。ずっと殺陣をしている。谷口さんが愚痴るのも無理はない…
矢を受けて倒れるときの田中マーガレットの狂気が暗転したあとも残る。
マーガレットとヨーク公爵の例のあのシーン。もうこれで話を終わりにしたいくらい凄かった。
矢にさされ、マーガレットに後ろからザクザク刺されたヨーク公爵しばらく話しているので舞台あるあるとはいえ、生命力が強すぎて生存するのでは…と思うほどヨーク公爵が強い。
末子の血のくだり(シェイクスピア先生勝手にエドムンドお兄ちゃんを末子にしたおかげで全部使えます)にマーガレットがこの回は容赦なく演技声だった気がする。
ヨーク公爵の泣き崩れるシーンとマーガレットの高笑い…1幕のクライマックス。
赤エドがリチャードを助け、リチャードが街に飛び出すシーン(ここが日替わり)控えめにいって赤エドが可愛すぎる。男に襲われるシーンがないので、このままジョン・グレイを殺す。この舞台は時間がないのでグレイの役者さんはペンダントを取り出しながら『エリザベス…』とつぶやいて死ぬ。アンサンブルの方なのだが、エリザベスもアンサンブルの方がして、実はこのあとエリザベスが兄エドと結婚しようとしたのは夫を殺された復讐というくだりがないので、多分舞台からみた人はよく分からないと思う。なおグレイはリチャードを逃がしてあげようとしていていい人だった。
ヘンリーとリチャードの再会。
全然話のキャッチボールができないヘンリーとバカ正直に答えるリチャード。改めて聞くとまじヘンリーって…ってなるシーンのあとリチャードはひとりヨークへ。
ヨーク公爵の首に懺悔するヘンリーのシーンがすごく好き。うん…
で、リチャードの首のシーン。有馬リチャードは決して浮上してこないので、父上を失った絶望のなか、父上とキスをして、そして……父上の首を持って戦う。
これ少女漫画原作のアニメ版権の舞台なんですが??
主人公が父親の首を持ちながら敵を殺してるんですけど??
大丈夫?倫理観大丈夫?
と多少混乱したが、薔薇王なんで許される。
でもこの演出大好きで、彼にはもう、この首以外失うものがないんだな、ってかんじさせられた。
有馬リチャードはとくに、怒りに振り切れず絶望感にかられてランカスターを斬るので、壮絶さをかんじる。
この同タイミングで兄エドとウォリックがヨーク公爵の死を知り、ウォリックが兄エドを奮い立たせ、あなたを王にすると手の甲にキス。ウォリックに怒られ気味な兄エドが、ちょっと可愛い。
血にまみれるリチャード。1幕終わりだし、血糊を使うのかなとか思いましたが、薔薇でした。これは原作通り。
そして王位を宣言するエドワード(同時進行)
倒れたリチャードをみつけ抱きあげようとするケイツビー。
1幕~完~
ほえー…すげえもん見てしまった。
というか兄エド即位に70分かけ…そうか…
いやなんかもう、圧巻だし、これで終わりでもいいや。
なんて思いながら休憩に入りました。
書いてなかったんですが、切り離し可能でくるくる人力で動くセットで、アンサンブルさんが動かしていたんですが、本当に動く動く。そしてアンサンブルさんは10人。女性キャストさんはふたり。ランカスター軍としてマーガレットの話を聞いたあとすぐにヨーク軍になりヨーク公爵の話をきき、殺陣をして、町娘になり、みたいな超絶ハードさに圧倒されました。多分本当は2倍人員が必要。
リアルうちの母がBluRay予約に走ったのでバタバタしていました。
2幕はまた書きます。